ニュースリリース(マスコミの方へ)内視鏡外科手術支援にAI活用へ

福岡工業大学が、大分大学医学部および理工学部、精密機器メーカーのオリンパス株式会社と共同で取り組んでいる人工知能を用いた内視鏡外科手術を補助するソフトウェアの開発において、平成30年12月大分大学病院での腹腔鏡下胆嚢摘出術において、開発ソフトを用いたランドマークの術中表示システムの検証実験が成功し、平成31年1月17日に発表した。
この取組は、日本医療研究開発機構(AMED)の「未来医療を実現する医療機器・システム開発事業」の一環で、研究代表者は大分大学医学部消化器・小児外科学講座の猪股雅史教授。福岡工業大学は、同取組において人工知能ソフトウェアの開発を担当している。内視鏡外科手術が最も普及している胆嚢摘出手術で開発を進めており、安全に手術を進めるためのいくつかの目印(ランドマーク)を手術映像上にリアルタイムで表示する技術の開発を行っている。
内視鏡外科手術は、体に小さな穴を開けて内視鏡カメラや手術器具を差し込み、モニター画面を見ながら進める手術。傷口が小さく、入院期間も短いため、患者にとっては社会復帰が早いなどの長所がある。術式の対象も手術機器の発展に伴って体の各部位に広がるなど、実施件数は年々増加している。一方で、体表を大きく切り開く一般的な手術に比べて技術的に難しく、間違って切除してしまうなどの執刀医の判断ミスに因んだ事例も起きている。
このシステムは、大分大や日本内視鏡外科学会が保有する約100症例の手術動画から生成した数万枚の手術画像をAIに学習させることで、熟練医が経験から覚えた「暗黙の知」をコンピュータが解析し、手術を安全に進めるためのランドマークを手術映像上に表示するものである。このシステムが提示する情報を見ながら手術を行うことで、手術の安全性を高めることが期待されている。
開発者である徳安達士教授(情報工学部情報システム工学科)によると、「この取組では、人工知能は内視鏡外科医の臨床的観点から精度の善し悪しが評価されるので、手術現場で役に立つまで人工知能を成長させるのに様々な工夫が必要であった」とのこと。現在、開発チームは臨床試験・治験の準備に取り組んでいる。

 

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